世界中で愛されるチェダーチーズ。深くて豊かな風味と、しっとりとした滑らかな口当たりが特徴で、そのまま食べても、料理に使っても美味しいですよね。チーズの王様感もあるチェダーチーズを見ていきましょう!
- チェダーチーズってどんなチーズ?
- チェダーチーズの食べ方と選び方
- チェダーチーズのまとめ
チェダーチーズってどんなチーズ?
チェダーチーズは、イギリス南西部サマセット州チェダー村が発祥のハードチーズです。若いチェダーは比較的マイルドですが、熟成が進むにつれて、鋭い酸味とともに複雑な旨味が発達し、時にはナッツのような風味も感じられるようになります。色は淡いクリーム色から濃いオレンジ色まで様々です。
チェダーチーズの製造過程で行われる「チェダリング」という独特の工程は、カード(凝乳)をカットして積み重ね、余分な水分を排出していく方法で、これがチェダーチーズ特有のテクスチャと風味を生み出しています。
熟成中にチーズ内部でタンパク質と脂肪が分離し、小さな結晶を形成します。この結晶が、チェダーチーズ特有のしっとりとした滑らかな口当たりを生み出しているそうです。
歴史と誕生秘話
チェダーチーズの歴史は古く、12世紀にまで遡ります。イギリス南西部のサマセット州にあるチェダー渓谷は石灰岩の洞窟で、一年を通して気温が低く湿度が安定しているため、チーズの熟成に最適な環境でした。チェダー村の石灰岩洞窟で熟成されていた伝統的なチーズが、その始まりとされています。
16世紀には既にイギリス王室でも珍重され、ヘンリー8世の時代には「イギリスで最高のチーズ」として知られていました。
19世紀にはチェダーチーズの父と評される「ジョセフ・ハーディング」によって現代的な製造方法が確立され、イギリスを代表するチーズとして世界中に広まっていきました。現代ではイギリスだけでなく、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、世界各国でチェダーチーズが生産されています。それぞれの風土や製法によって、味わいや風味が異なるのも、チェダーチーズの魅力の一つですよね。
そして、近年では近年では、伝統的な製法を守るために「West Country Farmhouse Cheddar」の名称がEUの原産地名称保護(PDO)制度で保護され、サマセット州やその周辺で生産された伝統的なチェダーのみがこの名称を使用できます。
基礎情報と栄養素
チェダーチーズには、タンパク質やカルシウム、ビタミンA、ビタミンB12などの栄養素が豊富に含まれています。チェダーチーズに限らない話ですが、脂肪分や塩分も高いため、食べ過ぎには注意が必要です。
項目 | 値(100gあたり) |
---|---|
エネルギー | 356kcal |
水分 | 35.3g |
たんぱく質 | 25.7g |
脂質 | 33.8g |
炭水化物 | 1.4g |
ビタミンA(レチノール活性当量) | 330μg |
カルシウム | 740mg |
ビタミンB12 | 1.9μg |
葉酸 | 32μg |
食塩相当量 | 2.0g |
チェダーチーズの食べ方と選び方
チェダーチーズは、そのまま食べるのはもちろん、加熱しても風味が損なわれず、さまざまな料理に使えます。食べる前には、冷蔵庫から取り出して30分ほど常温に置いておくと、チーズ本来の風味がより引き立ちます。濃厚でコクのある味わいを、お好みの飲み物や料理と一緒に楽しんでみてください。きっとチェダーチーズの虜になることでしょう
購入するときの選び方
チェダーチーズを買うときに考慮すべき点は、主に熟成期間、風味、そして用途です。以下の点に注目してみましょう。
・熟成期間をチェック
チェダーチーズは熟成期間によって味わいが変化します。一般的には、熟成が短いものはマイルドでクリーミー、長いものはシャープで深いコクがあります。パッケージに「ミディアム」「マチュア」「エクストラマチュア」などの表示がある場合、それが熟成度合いを示しています。
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・色合いをチェック
チェダーチーズは熟成期間によって味わいや食感が大きく異なります。ナチュラルなチェダーチーズは淡黄色ですが、一部の製品ではアナトーという天然色素でオレンジ色に着色されています。色の違いは味に大きな影響を与えませんので、お好みで選んでください。きれいな色だと食べたくなってしまうジャンクなチズはダメでしょうか笑
・品質表示を確認
原材料や産地、製法などを確認しましょう。伝統的な製法で作られた「ファームハウス」や「PDO指定」のチェダーチーズは、高品質で風味豊かです。本場イギリス産は一度は食べてみることをおすすめします。
おすすめの食べ方
・そのままカットしてシンプルに
チェダーチーズ本来の風味を楽しむなら、スライスしてそのまま食べるのがおすすめ。クラッカーやフルーツと合わせても美味しいです。特に少し厚めにカットして、フルーツやナッツと一緒に食べるのが個人的にGOOD!
・トーストやサンドイッチに
定番ですが、サンドイッチやハンバーガーに挟むとチーズのまろやかさがたっぷり堪能できます。ここで唐突ですが、「チズバーガー」をご紹介します。
- 挽肉を塩胡椒で炒めて溶き卵で固める(チズがヒキニクタと呼ぶ伝統料理です)
- イングリッシュマフィンの片割れに乗せて、「1」のヒキニクタとチェダーを乗せます。
- イングリッシュマフィンのもう片方と一緒にトースト
- 上下合体
これで「チズバーガー」のベースが完成です。マヨやマスマヨ(マスタードマヨネーズ)、ケチャップ、ステーキソースなんかでアレンジをどうぞ。レタス、トマトを加えればリッチになりますが、チズバーガーは手軽!ジャンクに!が第一なので、おすすめしません笑
・定番のマカロニ
チェダーと言えば、マカロニ&チーズ!チェダーを牛乳や生クリームなんかで溶かして、マカロニに和えるだけで、濃厚なこくのマカロニが味わえます。もちろんホワイトソースでグラタンにしても美味しいですよね。
・ディップ
同じようにチェダーチーズを牛乳なんかで溶かしたソースに、いろいろディップするのもおすすめです。
特にチェダーの味を味わいたい場合はそのままでもいいですが、例えばタコスシーズニングとか加えるとメキシカンな味わいになりしますし、いろいろな調味料を加えてみると独特のソースが楽します。
ペアリングとおすすめの飲み物
チェダーチーズの風味を最大限に引き立ててくれる、おすすめの飲み物をご紹介します。
・赤ワイン
シラーズは、熟成したチェダーの複雑な風味と相性がよく、メルローは若いチェダーとの相性が特にいいと言われます。ジンファンデルは、スパイシーさとフルーティさがチーズの塩味を引き立ててくれます。
より重厚感が味わいたい場合は、タンニンの力強さとチェダーの濃厚さが調和するカベルネ・ソーヴィニヨンなんかもあるので、お好みに合わせて選んでみて下さいね。
・白ワイン
辛口白ワイン、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどは、チーズのクリーミーさを、ワインの酸味が引き締めてくれます。チェダーが重いという場合でも、爽やかに味わうことができますよ。
・ビール
イギリスの伝統的なエールビールやスタウトは、チェダーチーズの風味と絶妙なバランスで楽しめます。保ちます。ペールエールは、マイルドな風味で若いチェダーと相性がいいとされますし、熟成チェダーならスタウトがおすすめ。ビールとは違いますが、ドライシードルも若いチェダーにぴったりです。
・スコッチやブランデー
ウイスキーならシングルモルトスコッチが熟成チェダーにはぴったり。どちらも複雑な風味を持つため、奥深い味わいが楽しめます。ブランデーのフルーティーな風味は、チーズの塩味を中和してくれます。
・紅茶
チェダーに合う紅茶の定番は、イングリッシュブレックファストティー。この紅茶は、そのままのストレートでもミルクや砂糖を加えてもしっかりと紅茶の味わいが楽しめますので、チェダーと調和した味わいを楽しめると思います。
チェダーチーズのまとめ
チェダーチーズは、汎用性の高さと深い味わいが特徴です。世界中で最も人気のあるチーズの一つとなっていますが、その理由にもうなずけます。
料理の材料としてはもちろん、使い方もそのまま食べたり、トロかしたり、ソースにしてみたりと主役を食ってしまう脇役的な使い方もできます。スコッチなんかで、少し特別感を出せるのもチェダーチーズの魅力です。
自分好みの食材や飲み物とペアリングしてチェダーチーズの魅力を引き出して、自分だけの時間を楽しんでみて下さいね。