ゴーダチーズ。オランダを代表するこのチーズの名前を聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
クリーミーな味わいと芳醇な香り、そしてワックスに包まれた独特の形状で、世界中のチーズ好きを虜にしています。今回は、そんなゴーダチーズの魅力を徹底的に探求します!
- ゴーダチーズってどんなチーズ?
- ゴーダチーズの食べ方と選び方
- ゴーダチーズのまとめ
ゴーダチーズってどんなチーズ?
ゴーダチーズは、オランダ南部のゴーダ地方が発祥のセミハードチーズです。牛乳から作られ、熟成期間によって風味や食感が大きく変化するのが特徴。
若いゴーダは、クリーミーでマイルドな味わいですが、熟成が進むにつれて、よりしっかりとした食感と、ナッティーで深みのある風味を楽しむことができます。
ゴーダチーズの表面を覆っているワックスは、主に赤や黄色が使われ、熟成度合いによって色が異なります。このワックスは、熟成中のチーズを乾燥や汚染から守る役割を果たしています。
歴史と誕生秘話
ゴーダチーズの歴史は、中世にまで遡ります。12世紀頃、オランダ南部のゴーダ地方で作られていたチーズが、ゴーダチーズの原型とされています。
当時のゴーダ地方は、肥沃な土地と豊富な牧草に恵まれ、酪農が盛んでした。そこで作られていたチーズは、現在のゴーダチーズと同じように、牛乳から作られるセミハードタイプのチーズでした。
その後、15世紀ごろから、ヨーロッパ各地の周辺諸国に輸出されるようになりました。特に、長期保存が可能なことから、船旅などの長距離輸送に適していたことが、人気の理由の一つでした。アジア圏などにも大航海時代の後半あたりで広まったと言われていて、徳川幕府に献上されたという記録も残っています。
日本で普及したのは20世紀に幅広く親しまれるようになりましたが、ゴーダチーズのマイルドさが日本人の嗜好にあいました。今では、サンドイッチやおつまみでもおなじみですよね。
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基礎情報と栄養素
ゴーダチーズには、タンパク質やカルシウム、ビタミンB12などの栄養素が豊富に含まれています。特に、カルシウムは骨の健康維持に欠かせない栄養素で、ゴーダチーズには牛乳の約10倍ものカルシウムが含まれています。ただし、脂肪分も多いので、食べ過ぎには注意が必要です。
項目 | 値(100gあたり) |
---|---|
エネルギー | 356kcal |
水分 | 40.0g |
たんぱく質 | 25.8g |
脂質 | 29.0g |
炭水化物 | 1.4g |
ビタミンA(レチノール活性当量) | 270μg |
カルシウム | 680mg |
ビタミンB12 | 1.9μg |
葉酸 | 29μg |
食塩相当量 | 2.0g |
ゴーダチーズの食べ方と選び方
ゴーダチーズは、そのままスライスしてワインのおつまみにするのはもちろん、様々な料理に活用することで、その魅力を存分に楽しむことができます。食べる前には、冷蔵庫から取り出して30分〜1時間ほど常温に置いておくと、チーズ本来の風味が引き立ちます。
クリーミーでコクのある味わいを、お好みの飲み物や料理と一緒に味わってみてください。きっとゴーダチーズの虜になることでしょう。
購入するときの選び方
ゴーダチーズを選ぶ際に考慮すべき点は、主に熟成期間、風味、そして用途です。以下の点に注目してみましょう。
・表面をチェック
ゴーダチーズは、熟成度合いによって色などが変わります。熟成が進むにつれて、薄い黄色から濃い黄色、オレンジ色へと変化します。表面が滑らかで、乾燥しすぎていないか、カビが生えていないかはチェックしましょう。特に若いゴーダは賞味期限が短めなので注意が必要です。
・用途を考えて選ぶ
ゴーダチーズは熟成期間によって味わいや食感が大きく異なります。
- 若いゴーダ (Jonge Gouda): 熟成期間1-4ヶ月。マイルドでミルクの風味、弾力のある食感が特徴です。
- 中熟成ゴーダ (Belegen Gouda): 熟成期間4-8ヶ月。まろやかでナッツのような風味、少し硬めの食感が楽しめます。
- 熟成ゴーダ (Oud Gouda): 熟成期間8ヶ月-1年以上。濃厚な旨味と塩味、硬くて崩れやすい食感が特徴です。
- 超熟成ゴーダ (Extra Oud Gouda / Overjarige Gouda): 熟成期間1年半以上。非常に濃厚な風味と塩味、硬く、アミノ酸の結晶が感じられるものもあります。
・チーズ専門店で選ぶ
チーズ専門店なら、試食はできるところもあるので、そういったところで相談しながら自分に用途にあったゴーダを選ぶといいです。
おすすめの食べ方
・そのままカットしてシンプルに
シンプルにカットするだけでも、ゴーダチーズ本来の風味を堪能できます。薄くスライスして熟成期間の異なるゴーダを食べ比べてみるのもおすすめです。
・トーストやサンドイッチに
濃厚でクリーミーなゴーダは、ホットサンドやパニーニの具材として最適です。他の具材と一緒に溶けて、旨味をプラスしてくれます。そのままハムやターキーと一緒にサンドイッチにしても美味しいです。
・グラタンやキッシュに
ゴーダチーズは加熱すると良く溶けるので、グラタンやキッシュなどの料理に活用するのもおすすめ。クリーミーな舌触りと、コクのある風味が料理をワンランクアップさせてくれます。パスタソースならオールドゴーダやエクストラオールドゴーダを加えると濃厚な風味が豊かになります。
・スイーツ感覚で
クラッカーやバゲットにのせて。蜂蜜やフルーツと合わせると、甘じょっぱい味わいが楽しめます。ハーブやくるみ、ドライフルーツと一緒に盛り付けると、前菜やデザートにも最適です。ハチミツを少量かけると、甘味が加わりデザートとして楽しめます。熟したゴーダは、ダークチョコレートと合わせると意外な美味しさが味わえます。
ペアリングとおすすめの飲み物
ゴーダチーズの風味を最大限に引き立ててくれる、おすすめの飲み物をご紹介します。
・赤ワイン
ゴーダチーズに合う定番の飲み物が赤ワイン。若いゴーダや中熟成ゴーダにはミディアムボディのメルロー、ピノ・ノワールなどは、フルーティーな香りがチーズのミルクの風味を引き立てます。熟成ゴーダや超熟成ゴーダには、フルボディのカベルネ・ソーヴィニヨン、シラーなどの力強い味わいが、チーズの濃厚な旨味に負けないハーモニーを生み出します。
・白ワイン
辛口の白ワインも、ゴーダチーズとの相性は抜群。ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネなどは若いゴーダ、ハーブゴーダにおすすめ。爽やかな酸味が、チーズの風味を引き締め、後味をスッキリとさせてくれます。スモークゴーダなら、甘口のリースリング、ゲヴュルツトラミネールなど蜂蜜やスパイスのニュアンスを持つワインが、燻製の香りと絶妙に調和します。
・ビール
ゴーダチーズに合うビールは、ややホップの効いたピルスナータイプがおすすめ。IPAの柑橘系の香りと苦味が、ゴーダチーズの風味と良く合います。
特に、ハーブゴーダや熟成ゴーダとの相性が抜群です。熟成ゴーダ、超熟成ゴーダとのペアリングには、ベルジャンエールなどフルーティーでスパイシーな味わいのものがおすすめ。スモークゴーダなら、スタウトなどローストされた麦芽の香ばしさが、ゴーダチーズの濃厚な旨味と良く合います。
・ウイスキーや日本酒
スコッチウイスキーで特にスモーキーなものは熟成ゴーダと、バーボンなら中〜熟成ゴーダと合わせると美味しいです。辛口の純米酒などは若〜中熟成ゴーダなどと合わせると普段と違うお酒を楽しめます。
・紅茶やジュース
ダージリンやアッサムなどのストレートティーは、チーズの風味を邪魔せず、さっぱりと楽しめます。アールグレイなど、ミルクと相性の良い紅茶は、ゴーダチーズとも好相性。ゴーダチーズのコクと、紅茶の香りが織りなすハーモニーを楽しんでみてください。
お酒が飲めない方やおやつタイムで楽しむ場合には、若いゴーダならりんごジュース、中熟成以上のゴーダなら、緑茶や烏龍茶などでひと息つくのがおすすめです。
ゴーダチーズのまとめ
ゴーダチーズは、熟成度合いによって味わいが大きく変化するのが魅力。若いゴーダのマイルドな味わいから、熟成ゴーダのコクと深みのある風味まで、様々な表情を楽しむことができます。
料理との相性も抜群で、そのままおつまみにしたり、トーストやグラタンなどに活用したり、アレンジの幅が広いのも嬉しいポイント。自分好みの飲み物と合わせて、ゴーダチーズの魅力を存分に味わってみてはいかがでしょうか。
様々な楽しみ方ができるゴーダチーズで、至福のひとときを過ごしてみてくださいね。