モッツァレラチーズ。その名を耳にすると、どんなイメージが浮かぶでしょうか?やわらかな弾力とミルキーな風味、そして清らかな白さで、多くのチーズファンが虜になっています。今回は、そんなモッツァレラチーズの魅力を徹底的に探求します!

記事のポイント
  • モッツァレラチーズってどんなチーズ?
  • モッツァレラチーズの食べ方と選び方
  • モッツァレラチーズチーズのまとめ
モッツァレラチーズの歴史と楽しみ方

モッツァレラチーズは、イタリアのカンパーニャ地方を中心とした地域で生まれたフレッシュタイプのチーズです。新鮮な状態で楽しむことを前提とした製法と、短い熟成期間が特徴。できたてのモッツァレラはプルンプルンの食感と豊かなミルク感が魅力で、口に含むとやさしくとろけるような味わいが広がります。

アメリカやヨーロッパをはじめ世界中で親しまれ、産地や原料乳の違いによる風味のバリエーションも、モッツァレラチーズの面白さを引き立ててくれます。

現在、モッツァレラチーズには伝統的な水牛の乳から作られる「モッツァレラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ」と、牛乳から作られる「フィオル・ディ・ラッテ」の2種類があります。

「モッツァレラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ」はEUの原産地名称保護制度(DOP) によって保護されていて、カンパニア地方の水牛の乳のみを使用し、伝統的な製法で作られています。濃厚なミルクの風味とコク、独特の香りが特徴。水牛の乳から作られたものはより濃厚なコクがあると言われています。

一方、「フィオル・ディ・ラッテ」は牛乳を使用することであっさりとした味わいに仕上がって、サラダやピザなど様々な料理に幅広く使われています。牛乳製のものはクセが少なく柔らかな風味を楽しめます。私たちにも馴染み深いモッツァレラチーズはこちらですねー。

歴史と誕生秘話

モッツァレラチーズは12世紀頃、イタリア南部カンパニア地方で誕生したとされ、水牛の乳を保存するためにチーズ作りが始まったと考えられています。

モッツァレラチーズの特徴である弾力のある食感は、「パスタフィラータ」と呼ばれる製法から生まれます。これは、凝固させたチーズを熱湯で練り、引き延ばすことで繊維状の組織を作る製法です。

モッツァレラという名前も、イタリア語で「切り離す」とか「ちぎる」という意味の「モッツァーレ(mozzare)」に由来し、熱湯で練ったチーズ生地を手で切り離していたことから名付けられたとされています。

16世紀になると、様々な文献で「モッツァレラ」の名前で水牛の乳から作られたチーズの記述が見られるようになり、当時のナポリ王家の食卓にも上っていました。18世紀には南イタリア全体に広がり、製造技術も進化し、現在私たちが知る白く滑らかなモッツァレラチーズが作られるようになりました。

20世紀後半以降、モッツァレラチーズは世界中で愛されるようになり、日本でもイタリア料理の普及とともに広く知られるようになりました。ありがとう!モッツァレラ!

基礎情報と栄養素

モッツァレラチーズにはタンパク質、カルシウム、ビタミンB群などが含まれます。フレッシュチーズのため水分が多く、セミハードタイプよりもカロリーや脂質がやや低めなのも特徴です。ダイエッターの強い味方ですよね。

項目値(100gあたり)
エネルギー269kcal
水分56.3g
たんぱく質18.4g
脂質19.9g
炭水化物4.2g
ビタミンA(レチノール活性当量)280μg
カルシウム330mg
ビタミンB60.02mg
ビタミンB121.6μg
葉酸9μg
食塩相当量0.2g
文部科学省日本食品標準成分表(八訂)増補2023年から引用
モッツァレラチーズの食べ方とペアリング

モッツァレラチーズは、そのままスライスしてオリーブオイルやトマト、バジルと合わせる「カプレーゼ」など、フレッシュさを堪能できる食べ方が定番です。また、ピザにトッピングして焼き上げたり、パスタに加えたりすることで、クリーミーな旨味と伸びの良さを楽しめます。

食べる前に常温に少し置いておくと、ミルクの風味がいっそう際立ちます。開封後は水分が抜けやすいので、密封容器で保管し、できるだけ早めに使い切るようにしましょう。

購入するときの選び方

モッツァレラチーズを購入する際は、以下の点に注目してみましょう。

・種類を選ぶ

水牛の乳から作られたものはより濃厚なコクを、牛乳製はクセが少なくソフトな味わいを楽しめます。濃厚な風味とコクを楽しむなら「モッツァレラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ」、あっさりした味わいを楽しむなら「フィオル・ディ・ラッテ」がおすすめです。好みに合わせて選びましょう。

・フレッシュさをチェック

水分がしっかり保たれ、白くつややかなものが新鮮な証拠。水漬けタイプの場合、水が濁っていないか、チーズの表面が変色していないか確認しましょう。パック詰めのものは、パックが膨らみすぎていないか、チーズの表面が乾燥していないかもチェック!

・賞味期限をチェック

モッツァレラはフレッシュチーズのため、賞味期限は短めです。製造日から1週間以内の商品がベスト。購入後は冷蔵庫で保管し、早めに食べ切るのがおすすめです。と言いますか、食べちゃいますよね笑

関連記事:チーズの種類:ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いと魅力

おすすめの食べ方

・そのままスライスして

モッツァレラチーズのミルキーな味わいをダイレクトに感じるなら、スライスしてオリーブオイルや塩、胡椒を軽くふりかけて楽しむのが一番。トマトやバジルと合わせると彩りも美しく、まさに定番の「カプレーゼ」です。他にもアボカドやいろいろな野菜と楽しめます。

・ピザやパスタに

加熱するとトロ~り糸を引くモッツァレラチーズは、ピザやパスタの具材としても人気です。特にマルゲリータピザとの相性は抜群で、クリーミーな口当たりを活かした料理に最適です。他のチーズと組み合わせても◎本場ナポリピッツァには欠かせない食材といわれますよね。

・サンドイッチやパニーニに

トマトや生ハム、ルッコラなどの具材と一緒に挟むと、さっぱりかつコクのある味わいを手軽に楽しめます。溶かして食べても、生のままでも美味しく楽しめます。

・変わり種!揚げモッツァレラ!

モッツァレラチーズを揚げると、外はカリカリ、中はとろ~りとした食感を楽しめます。ビールのおつまみにも最適です。

ペアリングとおすすめの飲み物

モッツァレラチーズの繊細な風味とやわらかなコクとミルキーさを引き立ててくれる、白ワインが特におすすめ。爽やかな酸味がチーズの風味を引き立てます。

・白ワイン

ソアーヴェやフィアーのなどの辛口白ワインや、ピノ・グリージョやフルーティーなソーヴィニヨン・ブラン、爽やかなヴェルデッキオは、モッツァレラチーズのフレッシュな味わいと相性抜群。モッツァレラのフレッシュ感を損なわずに引き立ててくれます。

・スパークリングワイン

プロセッコやカヴァ、チャコルタは、チーズのさっぱりした後味に爽快感がプラスされ、食事全体を盛り上げてくれます。(スパークリングワインがある時点で、食卓が盛り上がるという説もあります)

・ビール

フルーティーな香りのエールビールや、軽快な味わいのピルスナーなど軽めのビールは、モッツァレラチーズの優しい風味を損なわず、軽やかに楽しめます。

・ジュース

未成年の方や妊婦さんは、フルーツベースのソーダや、レモネードなどで楽しまれてはいかがでしょうか。モッツァレラチーズと相性が良く、軽快な一時を楽しむのに最適です。オレンジジュースやグレープフルーツジュースなどもおすすめです。

モッツァレラチーズのまとめ

モッツァレラチーズは、フレッシュでクリーミーな風味とやわらかい食感が魅力です。水牛の乳から作られたものと牛乳製のものでは味わいが異なり、それぞれの違いを楽しむのも醍醐味のひとつ。ピザやパスタ、サラダなど幅広い料理に活用できるので、日常から特別なシーンまであらゆる食卓を彩ってくれます。

お気に入りの飲み物と組み合わせて、ぜひモッツァレラチーズの奥深さに触れてみてください。さまざまなシーンで活躍するモッツァレラチーズが、あなたの食卓を爽やかに彩ってくれるはず!チズはそう思う。